ジョジョの奇妙な冒険について
語りたいときに語ってみる。

◆花京院について


こうなると、自分は考えてしまう訳です。
「一体彼のどの部分にほれたのか？」

自分が好きになるキャラは、割と一定の偏りがあって、
ジョジョ３部でいうならポルナレフ系が多い。
（実際、１部スピードワゴン、２部シュトロハイム、４部億泰、５部ミスタ、６部アナスイが好きである）
そのせいか、反対の花京院系はそんなにタイプではない・・・。
とまぁ延々考え続けた結果、結論を出しました。


花京院くんは、姫川亜弓さんの男版だ。


姫川亜弓といえば、少女マンガの名作「ガラスの仮面」の亜弓さん。
主人公北島マヤのライバルの亜弓さん。
自分が今まで出会った女性キャラの中で、ダントツで好きな女性キャラです。
女性キャラ不動の１位。

作品の作風も、話の中での位置づけも違う２人だけど、彼らはとてもよく似ている。

とりあえず、自分の言葉で説明するなら
花京院くんと亜弓さんは「いいひと」。びっくりするぐらい「いいひと」

自身の中に、ダイアモンドのごとく強い意志を持ち、揺らがない。
他人に惑わされず、自分で見て自分で感じたものを信じている。
良く言えば純粋であり、悪くいえば潔癖すぎる。

その魂が潔癖すぎるが故に、孤独。
でも別に２人とも
それは自らの意志でそうなっているのであって（自分でもそれを受け入れている）、
ほとんどいっていいほど、マイナスの感情になっていない。
細かく言えば、深層部分では抱えているんだけれども、表面上に出てこない。
（亜弓さんがその弱さを露呈したのはかなり後半の１回だけだし多分、
花京院に至っては、モノローグから想像するしかない・・・）
基本的には、社交的で物腰柔らかで、至って明るい人たち。
加えて強い意志を持つが故に、心身ともにタフネス。負けず嫌いでもある（笑）。

だからこそ、彼らは自分で決めた自分の道を進むんだけども、
これはかえって自らの首を絞めてる。
本当は、もっともっとラクで楽しい生き方もあるはず、
もっとセコイこともできるし、逃げることだってできる。
でも彼らは逃げないし、むしろ真っ向から向かっていって、そして自分で自分を追い詰める。

そしてこの２人は、そろって報われない。
亜弓さんは、どれだけ努力しても天才肌の北島マヤには勝てないだろうし、
花京院くんにいたっては、死が待っている。
「この世にあった喜びは、二度と手に入らない」（Byユージン・デイビス）

彼らに「哀」という感情はまったくもって感じられない、
むしろ高貴なまでの誇りを持っているし、格好良い部類に入るだろう。
けれども、どこはかとなく感じる切なさはどうしようもない。


※ちなみに、花京院くん同じく亜弓さんも獅子座である（血液型は不明、Ａっぽいが）

スタンドがあるが故に、心を閉ざしたってのは
何か嫌なできごとがあって、トラウマがあったんじゃないでしょうか。
ただ、ンドゥールとか見る限り、その能力を生かして悪い方向に突っ走っても良かったんですが、
そういうことを考えないあたり、「いいひと」すぎる所以です。
（性格もひん曲がってないし…）

言ってしまえば
「今まで孤独だった人間が、主人公たちと出会うことによって、幸せを見つけて、その後死ぬ」
というありがちキャラでありますが、
彼の場合、その経過を知っている人物がいない。

様は、花京院くんが心底どういう思いでどう感じていたのか、誰も知らない。
５０日近くの旅は、とてつもなく楽しくて楽しくて仕方なかったけれど、その思いを誰も知らない。
自分で語りだしたポルナレフと違って、彼は誰にも何も語っていない。
（だからこそ異様にモノローグが長い）
控えめな性格と言ってしまえば、それで終わりですが、
振り返ると、彼の悲劇性が強いのは多分その点にあると思うんですね。

ちょっと考えれば、承太郎なんて
年齢が近い・同じ国籍のそれこそ「最初で最後」の「唯一」の友達になるが、その事実を承太郎は知らない。
イギーは勿論だし、いくら仲間とはいえ、
年齢が離れていてかつ国籍も違うジョセフ・ポルナレフ・アヴドゥルが知っている訳がない。

どうしてDIOに操られたのか、本当の理由を誰も知らない。


もっと考えれば、花京院くんの両親は
まさか自分の息子がエジプトまで行ってしまい、
いやその道中に、実はこんなに明るい子だったとは知る由もない。

もっともっと考えれば、
その事実を知ったところで、彼らは泣くしかない。



ただ３部を読み返して思うのは、
花→承りの思いより、承り→花の方が強そうだということで（笑）。

「運命の車輪」戦で、嬉々として相撲の話をしていますし、
「恋人」戦で、ダンに「（お前は）花京院のやつのことを知らねぇ」と断言。
おまけに、ポルナレフのことを一切無視してのこの台詞。
（いや、確かにポルは全然役に立ってなかったけどね！）
個人的に爆笑してしまったのは、ンドゥール戦で「まずい…失明の危険がある」のうろたえた表情。
お前、そんな表情する男ちゃうやろー！（笑）

どう見ても、一匹狼の承太郎くん、
彼にとっても花京院くんは、本当に最初の（下手すれば最後の）友達だったんでしょう。
シリアスに考えれば、この２人は、とてつもなく哀しい友達コンビであります。


とりあえず、ナナムジカ「くるりくるり」をこの２人に捧ぐ。
君と僕とが　出会った事は深く大きく
僕は君のその存在を失くしてはじめて知らされるだろう
（承りの一人称は「おれ」だが）

一巡後には、「アナキスとの結婚は許せん。」と怒りにふるえている承りの横で
「でも、２人はこんなに愛し合っているじゃないか。」と父娘の仲介役になっていたらいいよ。